競艇データ分析|146,856レースで見るコース・決まり手・会場の傾向
BOAT RACE公式が配布する競走成績アーカイブから、2021年1月3日〜2026年7月24日の146,856レースを集計しました。印象論ではなく、実際の着順データが示す競艇の構造をご覧ください。
1. 艇番別の成績 — 1号艇はどれくらい強いのか
競艇が他の公営競技と決定的に違うのは、枠順そのものが極めて強い有利不利を持つ点です。集計結果は次のとおりです。
| 艇番 | 出走数 | 1着率 | 2連対率 | 3連対率 |
|---|---|---|---|---|
| 1号艇 | 145,510 | 55.1% | 72.6% | 81.7% |
| 2号艇 | 145,540 | 14.1% | 39.2% | 57.8% |
| 3号艇 | 145,536 | 12.6% | 34.0% | 54.1% |
| 4号艇 | 145,488 | 10.1% | 26.8% | 46.7% |
| 5号艇 | 145,557 | 5.9% | 17.9% | 35.4% |
| 6号艇 | 145,539 | 3.1% | 11.3% | 27.0% |
1号艇の1着率は55.1%。実に2レースに1回以上は1号艇が勝っている計算です。3連対率で見れば81.7%に達し、「1号艇を3着以内に固定する」という発想に統計的な裏付けがあることが分かります。
一方で6号艇の1着率はわずか3.1%。競馬の大外枠とは比較にならないほど、競艇の枠は結果を左右します。これは第1ターンマークまでの距離が内側ほど短いという、コース形状に由来する構造的な差です。
2. 決まり手の分布 — 半分以上が「逃げ」
| 決まり手 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 逃げ | 76,979 | 52.4% |
| まくり | 22,495 | 15.3% |
| 差し | 18,983 | 12.9% |
| まくり差し | 17,186 | 11.7% |
| 抜き | 9,998 | 6.8% |
| 恵まれ | 1,215 | 0.8% |
最多は逃げで全体の52.4%。さらに1号艇が勝ったレースに限ると、その決まり手は逃げ 95.0%、抜き 4.5%という内訳になり、1号艇の勝ちパターンはほぼ「逃げ」一本だと分かります。
裏を返せば、1号艇を負かすには「まくり」「差し」「まくり差し」といった外からの攻めが決まる必要があり、これらは合計しても4割程度です。1号艇の信頼度が高いのは、この決まり手の偏りからも説明できます。
3. 会場別の1号艇1着率 — 同じ競技でも水面が違えば結果が変わる
競艇は全国のボートレース場ごとに水面の性質が異なります。同じ1号艇でも、会場によって勝率は大きく変動します。
| # | ボートレース場 | 対象レース数 | 1号艇1着率 |
|---|---|---|---|
| 1 | 丸亀 | 5,642 | 64.7% |
| 2 | 大村 | 6,903 | 62.5% |
| 3 | 徳山 | 6,683 | 62.2% |
| 4 | 下関 | 6,311 | 60.7% |
| 5 | 芦屋 | 4,977 | 60.7% |
| 6 | 住之江 | 6,805 | 58.6% |
| 7 | 尼崎 | 5,929 | 58.3% |
| 8 | 津 | 6,328 | 57.9% |
| 9 | 若松 | 6,549 | 57.6% |
| 10 | 宮島 | 6,458 | 57.5% |
| 11 | 常滑 | 6,913 | 57.5% |
| 12 | 唐津 | 6,032 | 55.5% |
| 13 | 児島 | 6,506 | 54.9% |
| 14 | びわこ | 5,671 | 54.4% |
| 15 | 蒲郡 | 6,786 | 54.0% |
| 16 | 三国 | 6,824 | 53.8% |
| 17 | 多摩川 | 5,973 | 53.1% |
| 18 | 浜名湖 | 6,650 | 51.4% |
| 19 | 桐生 | 6,517 | 51.1% |
| 20 | 鳴門 | 5,942 | 48.0% |
| 21 | 江戸川 | 6,072 | 45.6% |
| 22 | 平和島 | 6,421 | 44.8% |
| 23 | 戸田 | 6,593 | 43.0% |
最も1号艇が強い丸亀(64.7%)と、最も弱い戸田(43.0%)の差は21.7ポイント。これは「1号艇はだいたい5割強で勝つ」という全国平均だけを見ていては捉えられない、極めて大きな差です。
1号艇の信頼度は会場ごとに評価を変えるべきであり、これは予想において最も実用的な知見のひとつと言えます。
4. 級別の成績 — 実力差はどこまで数字に出るか
| 級別 | 出走数 | 1着率 |
|---|---|---|
| A1 | 218,581 | 27.1% |
| A2 | 206,714 | 19.9% |
| B1 | 394,189 | 10.8% |
| B2 | 53,686 | 4.7% |
A1級とB2級では1着率に明確な差があります。ただし注意したいのは、この差が枠順の有利不利ほど大きくはないことです。1号艇と6号艇の差に比べれば、級別の差は穏やかです。競艇において「誰が乗るか」より「どこから出るか」が効くという事実は、予想の優先順位を考えるうえで重要です。
5. モーター2連対率は結果に効くのか
競艇ではモーターが抽選で割り当てられ、その調子が結果に影響すると言われます。モーター2連対率の帯ごとに、実際の1着率を集計しました。
| モーター2連対率 | 出走数 | 1着率 |
|---|---|---|
| 0〜20% | 77,979 | 15.7% |
| 20〜30% | 210,365 | 15.4% |
| 30〜35% | 229,790 | 16.2% |
| 35〜40% | 182,193 | 17.2% |
| 40〜45% | 102,216 | 18.2% |
| 45〜50% | 37,859 | 19.4% |
| 50〜100% | 32,763 | 19.2% |
モーター2連対率が高い帯ほど1着率も高い、という緩やかな右肩上がりの関係が確認できます。ただし最下位帯と最上位帯の差は数ポイントであり、枠順の差(55.1% 対 3.1%)に比べれば影響はずっと小さいと言えます。モーターは「決め手」ではなく「最後の一押し」として扱うのが妥当でしょう。
まとめ
- 1号艇の1着率は55.1%、3連対率81.7%。枠順の有利不利が突出して大きい
- 決まり手は「逃げ」が52.4%。1号艇の勝ちパターンはほぼ逃げに集約される
- 1号艇1着率は会場で43.0%〜64.7%と21.7ポイントも動く。会場ごとの評価が必須
- 級別・モーターも効くが、枠順ほどのインパクトはない