競艇データ分析|163,054レースで見るコース・決まり手・会場の傾向
BOAT RACE公式が配布する競走成績アーカイブから、2021年1月3日〜2026年9月6日の163,054レースを集計しました。印象論ではなく、実際の着順データが示す競艇の構造をご覧ください。
1. 艇番別の成績 — 1号艇はどれくらい強いのか
競艇が他の公営競技と決定的に違うのは、枠順そのものが極めて強い有利不利を持つ点です。集計結果は次のとおりです。
| 艇番 | 出走数 | 1着率 | 2連対率 | 3連対率 |
|---|---|---|---|---|
| 1号艇 | 161,146 | |||
| 2号艇 | 161,176 | |||
| 3号艇 | 161,182 | |||
| 4号艇 | 161,124 | |||
| 5号艇 | 161,200 | |||
| 6号艇 | 161,178 |
1号艇の1着率は55.2%。実に2レースに1回以上は1号艇が勝っている計算です。3連対率で見れば81.8%に達し、「1号艇を3着以内に固定する」という発想に統計的な裏付けがあることが分かります。
一方で6号艇の1着率はわずか3.1%。競馬の大外枠とは比較にならないほど、競艇の枠は結果を左右します。これは第1ターンマークまでの距離が内側ほど短いという、コース形状に由来する構造的な差です。
2. 決まり手の分布 — 半分以上が「逃げ」
| 決まり手 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 逃げ | 85,439 | |
| まくり | 24,989 | |
| 差し | 21,014 | |
| まくり差し | 19,239 | |
| 抜き | 11,032 | |
| 恵まれ | 1,341 |
最多は逃げで全体の52.4%。さらに1号艇が勝ったレースに限ると、その決まり手は逃げ 95.1%、抜き 4.5%という内訳になり、1号艇の勝ちパターンはほぼ「逃げ」一本だと分かります。
裏を返せば、1号艇を負かすには「まくり」「差し」「まくり差し」といった外からの攻めが決まる必要があり、これらは合計しても4割程度です。1号艇の信頼度が高いのは、この決まり手の偏りからも説明できます。
3. 会場別の1号艇1着率 — 同じ競技でも水面が違えば結果が変わる
競艇は全国のボートレース場ごとに水面の性質が異なります。同じ1号艇でも、会場によって勝率は大きく変動します。
| # | ボートレース場 | 対象レース数 | 1号艇1着率 |
|---|---|---|---|
| 1 | 丸亀 | 6,333 | |
| 2 | 徳山 | 7,457 | |
| 3 | 大村 | 7,631 | |
| 4 | 下関 | 7,031 | |
| 5 | 芦屋 | 5,125 | |
| 6 | 尼崎 | 6,743 | |
| 7 | 住之江 | 7,452 | |
| 8 | 常滑 | 7,757 | |
| 9 | 津 | 7,137 | |
| 10 | 宮島 | 7,128 | |
| 11 | 若松 | 7,281 | |
| 12 | 唐津 | 6,685 | |
| 13 | 児島 | 7,168 | |
| 14 | びわこ | 6,396 | |
| 15 | 蒲郡 | 7,408 | |
| 16 | 三国 | 7,574 | |
| 17 | 多摩川 | 6,722 | |
| 18 | 浜名湖 | 7,327 | |
| 19 | 桐生 | 7,282 | |
| 20 | 鳴門 | 6,542 | |
| 21 | 江戸川 | 6,654 | |
| 22 | 平和島 | 7,009 | |
| 23 | 戸田 | 7,156 |
最も1号艇が強い丸亀(63.8%)と、最も弱い戸田(42.8%)の差は21.0ポイント。これは「1号艇はだいたい5割強で勝つ」という全国平均だけを見ていては捉えられない、極めて大きな差です。
1号艇の信頼度は会場ごとに評価を変えるべきであり、これは予想において最も実用的な知見のひとつと言えます。
4. 級別の成績 — 実力差はどこまで数字に出るか
| 級別 | 出走数 | 1着率 |
|---|---|---|
| A1 | 240,803 | |
| A2 | 228,649 | |
| B1 | 437,291 | |
| B2 | 60,263 |
A1級とB2級では1着率に明確な差があります。ただし注意したいのは、この差が枠順の有利不利ほど大きくはないことです。1号艇と6号艇の差に比べれば、級別の差は穏やかです。競艇において「誰が乗るか」より「どこから出るか」が効くという事実は、予想の優先順位を考えるうえで重要です。
5. モーター2連対率は結果に効くのか
競艇ではモーターが抽選で割り当てられ、その調子が結果に影響すると言われます。モーター2連対率の帯ごとに、実際の1着率を集計しました。
| モーター2連対率 | 出走数 | 1着率 |
|---|---|---|
| 0〜20% | 86,695 | |
| 20〜30% | 232,447 | |
| 30〜35% | 253,809 | |
| 35〜40% | 201,043 | |
| 40〜45% | 113,240 | |
| 45〜50% | 42,840 | |
| 50〜100% | 36,918 |
モーター2連対率が高い帯ほど1着率も高い、という緩やかな右肩上がりの関係が確認できます。ただし最下位帯と最上位帯の差は数ポイントであり、枠順の差(55.2% 対 3.1%)に比べれば影響はずっと小さいと言えます。モーターは「決め手」ではなく「最後の一押し」として扱うのが妥当でしょう。
まとめ
- 1号艇の1着率は55.2%、3連対率81.8%。枠順の有利不利が突出して大きい
- 決まり手は「逃げ」が52.4%。1号艇の勝ちパターンはほぼ逃げに集約される
- 1号艇1着率は会場で42.8%〜63.8%と21.0ポイントも動く。会場ごとの評価が必須
- 級別・モーターも効くが、枠順ほどのインパクトはない