対象 2021年1月3日〜2026年7月25日 ・ 146,856レース

実質控除率|「払戻率75%」を鵜呑みにしてはいけない

競艇の連系舟券の払戻率は75%、控除率は25%と公表されています。ところが実際に「全通り買った人」の回収率を数えると、そこまで届きません。差はどこへ消えるのか。返還やキャッシュバックまで含めて、手元に残る率を計算します。

75%名目の払戻率
60.2%3連単を全通り買った実測
80.4%最も回収率の高い出目
32.4%最も低い出目

「全通り買い」の実測回収率

ある券種の全組み合わせを100円ずつ買い続けたら、いくら戻るか。3連単なら120点=12,000円を投じて、的中した1点の払戻が返ってきます。これを146,856レース分積み上げた実測値が次のとおりです。

券種点数平均配当全通り買いの回収率名目75%との差
3連単120点7,224円
60.2%
−14.8pt
3連複20点1,231円
61.6%
−13.4pt
2連単30点1,828円
60.9%
−14.1pt
2連複15点923円
61.6%
−13.4pt
なぜ75%にならないのか。 払戻率75%とは「売上のうち75%が的中者に配分される」という意味であり、あなたの買い方が75%を保証するわけではありません

全通りを均等に買うと、資金の大半はめったに来ない大穴の目に向かいます。そして大穴は買われすぎている(人気以上に売れている)ため、確率に対して配当が割に合いません。この歪みのぶんだけ、均等買いの回収率は名目を14.8ポイント下回ります。

これは競艇に限らず、公営競技とブックメーカーに共通して観測される「大穴の過剰人気(favorite–longshot bias)」です。

出目別の実測回収率

3連単の120通りそれぞれについて、「その目だけを毎レース100円買い続けた場合の回収率」を計算しました(出現率 × 平均配当 ÷ 100円)。

回収率が高い出目

#出目出現率平均配当回収率
11-2-37.03%1,143円
80.4%
21-3-25.25%1,504円
78.9%
31-2-62.8%2,768円
77.4%
41-5-22.04%3,757円
76.6%
53-1-41.49%5,157円
76.6%
61-5-31.83%4,092円
74.9%
71-6-21.26%5,920円
74.7%
84-2-60.43%17,486円
74.6%
92-1-32.11%3,530円
74.4%
101-2-53.6%2,045円
73.7%
111-4-23.52%2,080円
73.1%
121-3-44.52%1,598円
72.3%

回収率が低い出目

#出目出現率平均配当回収率
16-2-40.14%23,045円
32.4%
26-4-30.1%37,015円
35.6%
36-5-40.08%48,838円
37.3%
46-5-30.07%50,841円
37.8%
56-5-20.09%43,837円
39.4%
66-3-50.09%42,867円
39.7%
76-3-20.14%29,086円
40.4%
86-4-20.13%31,116円
40.9%
95-6-40.15%28,989円
42.5%
105-6-30.16%27,687円
43.8%
116-5-10.12%35,380円
43.9%
126-1-50.17%26,460円
45.1%

最高が1-2-3の80.4%、最低が6-2-4の32.4%その差は48.0ポイントです。上位は1-2-3をはじめ堅い目が、下位は6号艇頭の大穴が並びます。

ただし80.4%でも100%には遠く及びません。 「1-2-3を買い続ければ勝てる」という話ではなく、どの出目を選んでも長期的にはマイナスだという確認です。控除率がある以上これは当然で、勝つには「どの目が安いか」ではなくそのレースに限って過小評価されている目を選ぶ必要があります。

また、この集計には生存バイアスに似た注意点があります。過去に高回収率だった出目が今後も高いとは限りません。上の表は「人気の歪みがどれくらいの大きさか」を測る道具であって、買い目の推奨ではありません。

払戻はどこから来ているのか

3連単の配当帯レース数出現割合払戻総額に占める割合
0〜1,000円27,207
18.5%
1.8%
1,000〜3,000円53,303
36.3%
9.0%
3,000〜10,000円41,442
28.2%
21.4%
10,000〜50,000円21,678
14.8%
41.8%
50,000円以上3,082
2.1%
26.0%

万舟(10,000円以上)の決着は全体の16.9%しかないのに、払戻総額の67.8%を占めています。さらに5万円以上の決着は2.1%しか起きないのに、払戻の26.0%を生んでいます。回収の大半は、めったに起きない決着から来ているということです。
これは資金管理の話に直結します。均等買いの期待回収率60.2%は「長期平均すれば」の話であり、短期の収支はそのわずかな大当たりを引けたかどうかでほぼ決まります。試行回数が少ないうちは、期待値どおりにはなりません。

返還を含めた実質控除率

フライング(F)・出遅れ(L)・欠場が発生すると、その艇が絡む舟券は全額返還されます。返還された金額は売上から除かれるため、控除の対象になりません。したがって、購入総額に対する実質的な控除率は次のように下がります。

実質控除率 = 25% ×(1 − 返還率)

購入額に占める返還の割合実質控除率
0%25.0%
1%24.75%
2%24.50%
3%24.25%

当サイトのデータでは、6艇そろわなかったレースが5,427件(全体の3.2%)ありました。ただしこれは発売前の欠場(返還の対象外)も含む数字で、返還率そのものではありません。いずれにせよ効果は1ポイント未満で、控除率25%を実質的に動かすほどではありません。「返還があるから有利」という話にはなりません。

キャッシュバック・ポイント還元を含めるとどうなるか

投票サイトによっては購入額に応じた還元があります。還元率をk%とすると、購入額に対する期待損失は単純にk%ぶん軽くなります

還元率名目ベースの実質控除率全通り均等買いをした場合の実質損失
0%25.0%39.8%
0.5%24.5%39.3%
1.0%24.0%38.8%
2.0%23.0%37.8%
3.0%22.0%36.8%
5.0%20.0%34.8%
桁が違う。 還元率1%は、控除率25%を24%にするだけです。

一方で、買い方の違いによる回収率の差は80.4% 対 32.4%=48.0ポイントもありました。還元率の比較に費やす労力の100倍は、買い目の選び方に使うべきだということです。

もちろん還元はプラスです。ただしそれは控除率という土俵の上で戦うことを前提にした、わずかな追い風にすぎません。

まとめ

データについて: BOAT RACE公式が配布する競走成績アーカイブを取り込み、当サイトが独自に集計したものです。他サイトのデータや予想を転載したものではありません。着順が正しく取得できたレースのみを対象としています。

※ 本ページは情報提供を目的としたものであり、投票券の購入を勧誘するものではありません。的中や利益を保証するものでもありません。20歳未満の方は投票券を購入できません。