節間成績|「今節好調」はどこまで買う理由になるか
競艇は同じ選手が同じ会場で数日続けて走ります。だから「今節は動きが良い」という見方が生まれる。では節内の成績は、次の走りをどれだけ言い当てるのか。実力による見せかけを取り除いて測りました。
そもそも「節」とは
競艇の開催は数日間ひとまとまりで行われ、これを「節」と呼びます。公式データに節の通し番号はありませんが、番組表の「◯日目」から初日を逆算すれば会場ごとに一意に決まります。この方法で3,782節を復元しました(同じ日目が二重に現れる取りこぼしは0件)。
| 節の長さ | 節数 | 割合 |
|---|---|---|
| 1日 | 399 | |
| 2日 | 635 | |
| 3日 | 889 | |
| 4日 | 853 | |
| 5日 | 539 | |
| 6日 | 458 | |
| 7日 | 9 |
1選手が1節で走る回数は平均5.56走。つまり節の後半には、その選手について数走分の実戦データが溜まっている状態になります。
節内の直前レースの着順 → 次の走りの成績
まず素朴に、同じ節の1つ前のレースでの着順ごとに、次走の成績を見ます。
| 節内の前走着順 | 次走数 | 1着率 | 3着内率 |
|---|---|---|---|
| 1着 | 134,403 | ||
| 2着 | 131,643 | ||
| 3着 | 130,181 | ||
| 4着以下 | 377,289 |
前走1着なら次走1着率18.9%、前走4着以下なら14.3%。差は4.6ポイントあります。ただしこの数字はまだ信用できません。前走で勝てる選手は元々強く、内枠を引きやすいからです。
コースを揃えて見る
そこで、次走の進入コースごとに切り分けます。同じコースから出た者同士なら、枠の有利不利は消えます。
| 節内の前走着順 | 1コース | 2〜3コース | 4〜6コース |
|---|---|---|---|
| 1着 | 66.6% | 16.0% | 8.5% |
| 2着 | 60.4% | 14.2% | 6.7% |
| 3着 | 57.5% | 13.2% | 6.5% |
| 4着以下 | 50.4% | 10.4% | 4.6% |
1コースからの1着率は、前走1着の選手が66.6%、前走4着以下の選手が50.4%。コースを揃えてもなお差は残りますが、生の数字より小さくなります。
節内の平均着順で見る(本題)
1走だけでは偶然に振り回されます。その節でそれまでに走った全レースの平均着順を「調子」の指標として、次走の成績を見ます(3着までしか公式に取れないため、4着以下はすべて4着として計算)。
| 節内のそれまでの平均着順 | 次走数 | 1着率 | 3着内率 | 実力を揃えた場合の1着率 |
|---|---|---|---|---|
| 1.00〜1.75着 | 30,767 | 18.6% | ||
| 1.75〜2.25着 | 57,897 | 18.9% | ||
| 2.25〜2.75着 | 135,396 | 17.5% | ||
| 2.75〜3.25着 | 151,599 | 17.6% | ||
| 3.25〜4.00着 | 235,371 | 15.5% |
いちばん右の列が肝心です。ここは全国2連対率が30〜40%の選手だけに絞った数字。つまり「同じくらいの実力の選手の中で、今節の調子だけが違う」状態を比べています。
節内平均着順で切ると1着率は26.8% → 11.8%、差は15.0ポイント。ところが実力(全国2連対率)を揃えると、同じ切り方でも差はわずか3.4ポイントに縮みます。
比較として、全国2連対率そのものによる1着率の差は25.3ポイント。
つまり「今節の成績」が持つ情報の大半は、もともとその選手が強いという事実の言い換えです。節間成績を見て買うくらいなら、素直に全国2連対率を見たほうが効きます。
ただし3.4ポイントは0ではありません。実力が拮抗した相手同士を比べるときの、最後の一押しとしてなら意味があります。
節内で何走目か
「初日は動きが読めない」「終盤は疲れが出る」といった話もあります。節内の出走順に並べると次のとおり。
| 節内の出走順 | 出走数 | 1着率 | 3着内率 |
|---|---|---|---|
| 1走目 | 169,550 | ||
| 2走目 | 162,486 | ||
| 3走目 | 147,400 | ||
| 4走目 | 128,436 | ||
| 5走目 | 108,595 | ||
| 6走目以降 | 226,599 |
ほぼ横ばいで、はっきりした疲労の傾向は見えません。2走目がやや低いのは、初日の成績で枠の巡りが変わることの影響と考えられます。「何走目か」自体を買い材料にする根拠は薄いと言えます。
日目が進むと堅くなる
| 日目 | レース数 | 1号艇1着率 | 3連単平均 |
|---|---|---|---|
| 1日目 | 28,911 | 7,473円 | |
| 2日目 | 29,024 | 7,222円 | |
| 3日目 | 28,585 | 7,026円 | |
| 4日目 | 28,531 | 7,125円 | |
| 5日目 | 23,663 | 7,402円 | |
| 6日目 | 18,257 | 7,082円 |
1日目52.3% → 6日目61.5%。終盤ほど堅くなります。
まとめ
- 節は平均3〜4日、1選手あたり5.56走。節後半には実戦データが溜まる
- 節内成績が良い選手の次走1着率は26.8%、悪い選手は11.8%(差15.0pt)
- ただし実力を揃えると差は3.4ptまで縮む。大半は実力の反映であって「調子」ではない
- 全国2連対率による差は25.3pt。指標としての格が違う
- 節内の出走順による疲労の傾向は見えない
- 日目が進むと堅くなるが、これはレース種別との交絡